環境エネルギー工学専攻について

沿革

 現代の環境問題は、日々の快適な生活を支える電力消費に伴い不可避的に発生する二酸化炭素などの温室効果ガスによる地球規模の気候変動、所謂地球温暖化や越境大気汚染など、従来の公害に比べ現象の時空間スケールが格段に大きく、それが故に、その対策を地球規模で推進する事は不可欠ですが、経済成長や安全保障における各国の利害がぶつかる国際社会において、経済発展とのバランスを保ちながらこれらの環境問題を解決する事は至難の業です。

 こうした社会背景の中で環境エネルギー工学専攻は、エネルギー消費や環境へのemissionにおいて大きな割合を占める内燃機関、冷凍空調などの機械系の基盤技術及びそれらを内包する都市インフラや建築を大きなシステムとして捉え、エネルギー利用の高効率化、自然エネルギーの有効利用、環境負荷軽減に貢献すべく、その基礎学理としての環境エネルギー工学の研究及び教育の場として1998年に総合理工学研究科(後に総合理工学府へと改組)に創設されました。

組織

 対応する学部を持たない学際独立大学院教育機関という総理工の特色を反映し、環境エネルギー工学専攻は設立当初、機械工学および建築環境工学をバックグランドに持つ教員が集いました。設立から19年を経た現在でも、当専攻は従来的な工学の学問区分を異にする様々な教員が学生たちとともに、熱工学、流体力学、数学などを共通言語として教育と研究に互いに切磋琢磨しています。2016年4月現在の環境エネルギー工学専攻は3教育分野6講座から成り、教授5人、准教授3人、助教3人の計11人の教員スタッフが在籍しています。