学生の多様なバックグランドに対応したコースワーク

 環境エネルギー工学専攻は、様々な大学・高専の学部・学科出身者を受け入れているため、入学時点で学生さんたちが身につけている知識は各人異なります。そこで、こうした多様なバックグランドの皆さんがスムーズに環境エネルギー工学分野の研究活動に取り組むために必要となる熱工学や流体力学、流体機械、建築設備などに関する知識をバランス良く身につけられるよう、学科からそのまま大半が持ち上がりとなる一般的な大学院の修士課程に比べ、充実したコースワーク(講義)のカリキュラムを提供しています。

 専攻で提供される科目以外にも、他専攻科目として、筑紫キャンパスの他の4専攻だけでなく伊都・大橋・箱崎キャンパスで開講される講義を受講する事も可能です。

(新入生の皆さんは、入学後の研究テーマと自分のこれまで学んだ科目を考慮して、

自分に合った科目を履修するように、指導教員の先生と良く相談して下さい )

専攻の時間割はこちらで確認できます。

プレゼンテーション能力の涵養

 M1の冬には、全員が「プレゼンテーション演習」を受講する事が推奨されています。この科目では、自分の研究テーマの背景や既往研究についての理解を深め、自分の研究テーマの位置づけを理解し、その学術的な面白さを分かりやすく専門分野外の人に説明できるようなプレゼンテーション能力を身につける事を目的として、各研究室において数ヶ月間に渡り指導が行われます。

 毎年、2月上旬に行われるプレゼン発表会では全学生のプレゼンテーションを専攻の教員全員が5段階評価で採点し、優秀な上位2〜3人には年度末の卒業式の日に開催される専攻送別会において「優秀プレゼンテーション賞」が授与されます。

加えて、M2の秋には、英語によるプレゼンテーションの演習が行われます。

英語による教育研究機会の提供

 少子高齢化や人口減少など、近い将来の社会の縮退が避け得ない日本の現状を考えれば、若い皆さんは卒業後、否応なく海外との繋がりの中で仕事をすることになるでしょう。会社の持つ海外工場や海外の取引先との様々な交渉、出張や長期赴任、就職した会社が突然海外の企業に買収される等々。こうした場面において、職人的な深い専門知識だけでなく、英語力、言語の壁に物怖じしない交渉力やハートが重要な事は言うまでもありません。

 総合理工学府は九州大学の中でも、特に留学生の割合が高く、多くの研究室で留学生が学んでいます。そのため、研究室での日々の生活、セミナーやゼミなどの機会を活用して、自分の英語力、度胸をつけ下さい。

 理工系のエンジニア、研究者にとっては、コミュニケーション能力に加え、英語を大量に速く読む能力も非常に重要です。日本語で執筆された幅広い工学分野の書籍が日々発刊される日本の状況は、非英語圏にありながらエンジニアにとって母国語で基礎知識を習得できる非常に恵まれた環境です。しかし、こうして日本語にて執筆される書籍の多くは、教科書のようなある程度「枯れた」情報や多くの読者を対象としたgeneralな事項を取り扱っているため、最新の動向や、より専門的でspecificな情報にアクセスするためには、英語が必須となります。自分の取り組む研究分野の全体像を掴み、より深く理解するため、是非、積極的に、海外Journalの関連分野の論文を大量に精読する習慣を身につけて下さい。

 こうした訓練により大量に理工系の論文に触れる事は、自分の研究成果を英語の論文としてまとめる際に大きな力になります。環境エネルギー工学専攻では、修士課程在学中の研究成果を海外Journalに英語論文として纏めて投稿し、採択される学生さんも少なくありません。

 また、九州大学総理工、上海交通大学、釜山国立大学の3大学による学生向けの研究発表のカンファレンスCSS-EESTが3大学の持ち回りで毎年行われますので、意欲のある学生はこの会議に参加して自分の研究成果を英語で発表する体験をする事ができます。

 加えて、専攻の授業についても、留学生と日本人学生が共に学ぶため、多くの英語開講科目が用意されています。最初は難しいかもしれませんが、専門分野の内容を英語で聞いて、理解して、さらには発信するためには格好のチャンスです、有効に活用して下さい。


海外留学の勧奨

 総合理工学府では、半年間、釜山国立大学もしくは上海交通大学に半年間留学し、英語による専門教育を受け、九大と釜山/上海交通大学から修士課程の学位を取得できるプログラムCampus Asia Program が用意されています(詳細はこちら)。環エネ専攻の先輩たちもこの機会を利用して、貴重な海外留学の体験をしています。

 この他にも、毎年、多くの環エネ専攻の学生がIAESTEによる海外研究機関/企業でのインターンシップや、学術交流協定校への留学などに参加しています。

修士・博士一貫のリーディング教育プログラム (Green Asia Program)

 総合理工学府の環境エネ専攻を含む3専攻(物質理工、量子プロセス)は、工学府の資源専攻とともに、リーディング大学院プログラムGreen Asia Programの母体専攻となっています。

 このGreen Asia Programは、狭く深い専門知識だけでなく、幅広い共用を身につけた理工系リーダーの輩出を目指した修士・博士5年一貫の教育プログラムで、間エネ専攻に入学後、半年〜1年の間に行われる、入コース試験をパスすると参加する事ができます。

 このプログラムは、英語による教育を基本として、専門科目以外の経済学、国際政治、環境学など幅広い教養科目の受講が義務づけられる他、特別な英語学習の授業、国内外の企業や研究機関いおけるインターンシップ、ラボラトリーローテーションなど、充実した教育メニューが用意されています(詳細はこちら)。

 なお、安心して勉強・研究に打ち込めるように、入コース後は奨学金が支給されます。博士課程までじっくり研究を続けたいと思っている人に、またとない貴重な機会です。